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会長挨拶

宮城県医師会会長 嘉数 研二

 宮城県医師会会員の皆様におかれましては、健やかに平成29年を迎えられましたことと存じ上げます。

 昨年は、8月5日から17日間にわたって行われたリオ・オリンピックは大いに日本中を沸かせ、国民を興奮の渦に巻き込んだものでした。日本代表選手達の頑張りと最後の瞬間まで勝負を捨てないあの感動は全てに通じるものであり、勇気づけられたのではないでしょうか。
 さらに加えて、一昨年の抗寄生虫薬イベルメクチンの発見者大村智(北里大学教授)に引き続き、昨年10月3日、自食作用『オートファジー』の仕組みを解明した大隅良典(東京工業大学栄誉教授)がノーベル生理学・医学賞を受賞したことは、誠に喜ばしく、後に続く地道に仕事を続ける多くの研究者への力強い励みになると考えます。

 一方、ここ数年来、台風や地震による河川の氾濫、土砂崩れなど、自然災害による日本国内における人命をはじめとする甚大な被害の発生が続く事態は誠に残念です。平成28年4月14日、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード6.5、最大震度7の地震による甚大な被害が発生しました。私ども宮城県医師会は、4月19日に先遣隊(担当常任理事)が熊本に入り、現地からの情報を得てJMAT宮城の派遣体制構築を開始し、日本医師会の派遣要請を得て、交代で第1班から6班までを派遣致しました。後日、報告会で示された派遣メンバーの方々の活躍に対して強く感激した次第です。
 平成28年10月28日、こうした災害医療や救急医療に力強い助っ人となる宮城県ドクターヘリの運航が開始しました。格納庫がある仙台医療センター前で就航式が行われ、あの東日本大震災で発生した「防ぎ得る死」を無くすことができる可能性が大になると感じた思いは忘れることができません。これで宮城県のメディカルコントロール体制が一段とレベルアップすることは間違いないと思われますが、同時に救急医療における覚知から病院収容所要時間の遅れ(平成26年―宮城県:42.8分、全国平均:39.4分)が準夜体制(午後10時まで)の整備改善次第であることも考えねばなりません。

 さて、「団塊の世代」が全て75歳以上の後期高齢者となり、高齢化が一段と進行する2025年を見据え、医療機能ごとに2025年の医療需要と病床の必要量を推計し定めるとする「地域医療構想」は、2014年(平成26年)の通常国会で成立した「医療介護総合確保推進法」により、都道府県は翌年の4月から、「地域医療構想」を策定することになります。2016年(平成28年)11月11日の公表状況を見ると、31都道府県で策定時期が公表されております。
 一方、宮城県における「地域医療構想」は、県内4か所の二次医療圏における地域医療構想調整会議で協議された後、策定懇話会で確認・調整の結果、11月1日に開催された宮城県医療審議会で最終案が示され、11月18日に知事へ答申書が手渡されました。これで、宮城県自体の地域医療構想が緒に就いたことになります。限られた資源のなかで、医療機能の選択と転換、そして連携を強め、適切な医療と介護を効率的・安定的に提供し、地域住民が安心できる医療提供体制が推進されることになります。これに付随し、各医療施設は地域医療介護総合確保基金を積極的に利用して進めることが肝要です。
 昨年11月20日に開催された第5回宮城県地域医療学会でも「ここまで来た地域医療構想、地域包括ケアシステム」をテーマとして開催されましたが、400人を超える医療関係者の参加のもと、理解を深められたことは大変嬉しく感じた次第です。しかし、地域医療構想が大きな流れとして進められる中で喫緊の課題と感ぜられることは、東日本大震災後に策定された現在の4医療圏の再検討ではないでしょうか。

 本年4月に施行予定であった消費税の10%への増税について、「内需を腰折れさせかねない」として2年半再延期されたことは誠に残念なことでありました。
 日本医師会は「社会保障の充実は現在の日本にとって必要不可欠であるにも関わらず再延期されたことは遺憾である。消費税に代わる社会保障財源を別途確保すべきである。」と遺憾の意を表しました。同時に我々は「控除対象外消費税の抜本的改革」の要望も続けて参ります。地域医療構想、地域包括ケアシステムの推進に向かって進む我々の努力に反して、結果的に過不足ない国民医療費の削減につながることは許されません。
 2018年度までの3年間、社会保障費自然増―年間6400億円を5000億円に抑制するという政府与党の方針は大変厳しく、年間1400億円の圧縮となります。これにつじつまを合わせるような高額療養費制度や高齢者の医療費負担増そして外来定額負担などは、いわゆる混合診療の拡大や営利企業の参入を促進し、世界に誇るべき日本の皆保険制度による医療提供体制を内から崩壊することになりかねないと考えます。

 皆様方のご支援により宮城県医師会館・地域医療連携支援センターが竣工し、1年を過ぎますが、新しい環境で会務運営業務を遂行し、その使い勝手はどうか、効果を出しているか、を検討し、今年は更なるハード・ソフトのレベルアップを図りたいと思います。理事会や各委員会においてICTの利活用をすすめ、ペーパーレス化はもとよりTV会議システムの更なる推進と、宮城県内の地域医療・介護福祉情報連携の充実と推進のために、MMWIN実現に力を入れます。

 今年度も私ども役員は一丸となって、国民・県民のためのより良い医療政策の推進に取り組んで参りたいと思っておりますので、よろしくご支援、ご協力の程をお願い申し上げ、本年のご挨拶と致します。

(平成29年1月5日)

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