生化学部門は、臨床検査システム「日立ラボリュート」と、大量の検体を高速処理するために、生化学自動分析装置「ベックマンコールター AU5830」を3モジュール構成にて配置、大量の検体を高速処理可能な態勢を実現しております。
免疫血清部門は、全自動化学発光免疫測定装置「アーキテクトi2000」を2台構成として、心機能マーカー検査(BNP)、甲状腺関連検査(TSH、FT3、FT4)5項目、腫瘍関連検査(CEA、CA19-9、AFP、PSA、CA125、CA15-3)6項目、ウイルス感染症関連検査(HIV抗原・抗体、HCV抗原、HCV坑体、HBs抗原、HBs坑体)5項目(BNPとフェリチンも可能。)を、宮城県内で唯一当日報告出来る態勢を整えています。又、薬物検査(ジゴキシン、テオフィリン)2項目も当日報告が可能です。
シスメックス製 全自動血球計数装置「XE-2100」1台および「XE‐5000」3台により時間あたり600検体の処理能力を有し、血液像検査については一定の基準にて「目視判定」を実施しております。又血液疾患が疑われる場合には専門医のアドバイスによるレポート報告をしています。
全自動尿中有形成分分析装置「UF-1000i」を導入、より迅速な検査体制を構築しました。また異型細胞が認められた場合、細胞診部門と連携し確認を行って報告しています。
一般細菌培養同定検査は、検査材料中に存在する多くの細菌を想定し、数種類の培地に塗布し培養します。培地に含まれる成分により、栄養要求や発育阻害が起こり、種類の違う細菌が分離できます。培養した細菌の生化学性状を用いて、病原菌名を確定します。現在は自動細菌検査装置(Walk-Away96)を導入し安定した結果を報告しています。
薬剤感受性試験は、菌種別に有効と思われる薬剤をセンターセットとしてご用意し、MIC(最小発育阻止濃度)値とSIRのカテゴリーを併記してご報告しています。
抗酸菌検査は、機器が自動的に菌の発育を判定します。陽性となったものは抗酸菌染色をし確認します。MGIT(液体培養法)導入により、2週間以内での報告が可能になりました。抗酸菌PCRも導入し、さらなる迅速報告も可能となりました。
また、地域における感染症対策の一つとして、東北大学大学院内科病態学講座感染制御検査診断学分野、国立医薬品食品衛生研究所、宮城県保健環境センター、仙台市衛生研究所への情報提供を行い、感染症情報の把握、患者の発生予防に協力しています。
一般細菌検査室 | 抗酸菌検査室(MIGIT) |
当センターの病理検査室では東北大学病院病理部の全面的支援を受け、日本病理学会が認定した病理専門医が、また熟練した臨床検査技師により非常に質の高い診断及び標本の作製がされており、診断、治療に直接役立つ情報提供を迅速で正確さをモットーに日夜努力しております。病理組織標本の作製は専用機器により自動化され、安全かつ迅速に実施されており、検査結果は通常、生検組織では3~4日、手術材料でも5~7日ほどで報告しています。
細胞診検査は癌の早期発見に非常に有効な検査の一つです。当センターでは日本臨床細胞学会より認定された細胞診専門医、県内の婦人科専門医、国際細胞検査士及び国内細胞検査士のライセンスを習得した細胞検査士により一般細胞診検査、仙台市子宮がん検診において非常に精度の高い検査を行っています。
細胞診検査は医療技術の進歩とともに、最近の知識と技能の習得が求められており、症例検討会での症例の検討、各種研修会への積極的参加により日々自己の研鑽にも努めております。検査結果は通常1~3日で報告、疑陽性、陽性も3~7日ほどで報告しています。
宮城県医師会健康センターは、平成22年3月にISO 15189を取得しましたが,この度、病理・細胞診部門の拡大審査により、平成31年4月にISO認定を取得いたしました。
病理・細胞診検査は、病理医・細胞診専門医の先生方のご指導ご協力のもと、より迅速で精度の高いご報告が可能となっております。