宮城県感染症発生動向調査情報(第 11 週)

宮城県【 平成15 年 3 月 20 日 】発行 情報収集:宮城県保健環境センター
― 2003.3.10 〜 3.16 患者発生数(定点医療機関) ―
(【傾向の凡例】◎:今後の情報に十分注意 ○:今後の情報に留意 レ:減少傾向)

疾 病

保健所

仙台市

患者数

全地区

患者数

傾向

コメント

仙南

塩釜

大崎

栗原

登米

石巻

気仙沼

インフルエンザ

75

259

106

50

275

256

58

809

1888

全数報告疾病 1類・2類・3類・4類感染症:報告なし。
  −宮城県感染症発生動向調査情報解析部会−
[インフルエンザ]先週(22.11)に比べ定点報告数減少。気仙沼地区は4週から、登米地区は6週から警報発令中。先週大崎地区の注意報発令解除につづき、仙南地区注意報解除。塩釜、栗原、石巻地区は引き続き注意報発令中。登米地区が他と比べ定点報告数が高い。今後の動向に注意。
[麻疹]平成14年第28週(0.32)以来の高い定点報告数。栗原地区は他の地区に比べ、定点報告数が際だって高い。栗原地区は、平成14年第1週(0.33)以降報告がなかった。
=最近の話題= ○ハノイ・香港等における病院内での原因不明の重症呼吸器疾患の集団発生に関するWHOの緊急情報について(平成15年3月12日付厚生労働省通知;抜粋)WHOの情報では、2月中旬以降、ベトナム、香港、中国広東省で重症の呼吸器疾患の集団発生があったとされていることから、当面貴管内の医療機関において、2月中旬以降同地域から帰国者に原因不明の重症の肺炎患者発生があった場合には、その旨当課当て報告願います。(詳しくは、厚生労働省ホームページ;http://www.mhlw.go.jp/)
○ヒトメタニューモウイルス(Human metapneumovirus hMPV、仮称)について2001年オランダの研究者らによって、小児の気管支炎患者から世界で初めて分離報告され、ウイルス性状からパラミクソウイルス科ニューモウイルス属の新しいウイルスとしてhMPVと名付けられた。臨床症状は特にRSV様で、日本においても抗体保有調査、遺伝子検索の結果hMPVが広範に侵淫していることが示されていたが、今回のウイルス分離は本邦で初めて。今後hMPVに着目したサーベイランスを行うことにより小児の呼吸疾患の一面が明らかになると思われる。詳細は病原微生物検出情報2003年3月号または感染症発生動向調査週報第9号(http://idsc.nih.go.jp/index-j.html)参照。
〈病原体情報〉〜宮城県保健環境センター検査〜
・第2週の塩釜管内のインフルエンザ患者及び第3週の急性気管支炎患者からヒトメタニューモウイルス2件検出。・第11週の登米管内のインフルエンザ患者よりインフルエンザウイルスB型2件検出。
〜国立仙台病院ウイルスセンター検査〜・インフルエンザウイルスの検出状況は94件(未解析)。・麻疹ウイルス2件検出

咽頭結膜熱

 

2

 

 

 

 

 

 

2

 

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

2

15

4

7

15

5

 

43

91

感染性胃腸炎

36

129

35

32

42

80

17

255

626

水痘

13

11

30

1

13

8

8

31

115

手足口病

 

 

2

 

 

 

 

2

4

 

伝染性紅斑

6

 

4

1

4

1

4

9

29

突発性発疹

4

5

4

2

1

9

3

13

41

百日咳

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風疹

 

 

4

 

 

 

 

 

4

 

ヘルパンギーナ

 

 

 

 

 

1

 

 

1

 

麻疹

1

 

1

11

 

 

1

2

16

 

流行性耳下腺炎

9

4

 

5

10

2

3

22

55

急性出血性結膜炎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

流行性角結膜炎

 

 

 

 

 

2

 

 

2

 

急性脳炎(日本脳炎を除く)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

細菌性髄膜炎(真菌性を含む)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無菌性髄膜炎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マイコプラズマ肺炎

 

7

 

 

 

1

1

1

10

 

クラミジア肺炎(オウム病除く)

1

 

 

 

 

 

 

 

1

 

成人麻疹

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

川崎病

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

不明の発疹性疾患

 

 

 

 

 

 

 

1

1

 

[ウイルス分離状況] 3.10 〜 3.14 国立仙台病院ウイルスセンター提供

Flu

Para

RS

Mumps

Measles

Adeno

Entero

Rhino

HSV

CMV

94

4

2

 

2

4

2

 

 

1

インフルエンザ(B型)の流行が続いています。麻疹の流行が拡がりそうですので御注意下さい。(コメント:永井小児科医院 永井幸夫)